大人の矯正治療
大人の矯正治療
矯正治療は子どもの頃に行うものと思っている方も多いようですが、大人になってからでも矯正治療はできます。大人になってからの矯正治療でもメリットはあります。少しでも気になっているのならば、相談にいらしてください。
すでに成長が止まっている大人の場合は、顎の大きさが完成しているため、それをベースに治療を行います。そのため、顎の大きさに対して歯が並びきらずデコボコしている場合や、歯列からはみ出している場合などには抜歯を行い、そのスペースを利用して歯列をきれいに並べ替えたり、前歯を後方に下げたりします。
子どもの矯正治療は、多くの場合、成長発育を生かしながら行うⅠ期治療と、永久歯に生え変わってから行うⅡ期治療に分かれます。しかし、大人の治療の場合、治療期間が2つに分かれないため、短期集中的に治療が進むのが特徴です。
成長発育を終えた「大人の矯正治療」は、今ある骨格や歯の条件で進めなければならないため、治療に制限が生じることがあります。
大人になってから治療を始めようとする人は、「どうしても治したい」という気持ちが強く、治療に対する関心も高いため、治療がスムーズに進みやすいといえます。
歯や歯周組織に問題がある場合は、そちらの治療を優先するため、なかには矯正装置をつけるまでに1年近くかかるケースもあります。また、すでに歯を失いブリッジやインプラントが口の中に入っている場合は、動的治療の前に補綴物をはずすなどの処置が必要になることもあります。
一般的な治療期間は、歯を抜かない場合は1~2年、歯を抜く場合は2~3年かかります。しかし治療方針や歯が動くスピードによって治療期間は異なります。あくまでも目安と考えてください。また、歯を動かす治療の後に保定治療もありますので、通院期間はだいたい5年くらいとなる場合が多いです。
マルチブラケット装置
ほとんどの症例に対応できます。大人の矯正治療を代表する装置です。歯の表面に人体に無害な歯科用接着剤でブラケットを取り付け、その溝にワイヤーを組み込むことで、歯を3次元的に移動させる装置です。当院では、審美性がいいセラミックブラケットやホワイトワイヤーを用意しています。
マウスピース型矯正装置
取り外し可能なマウスピースを使用して歯を並べる装置です。使用できる症例が限られます。また、取り外しの装置なので、装着していないと歯は動きません。
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初診相談
はじめに顔写真と口腔内写真、さらにレントゲンを撮影させていただきます。その資料をもとに想定される治療方法や装置、料金について説明します。
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精密検査
矯正用のレントゲン、口腔内スキャン、必要に応じてCT撮影を行います。
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診断、治療方針の説明
精密検査の資料をもとに治療方針について説明します。治療方針がいくつかある場合は、それぞれのメリットとデメリットを説明します。
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動的治療(歯を動かす治療)
4~8週間に1回のペースで通院が必要です。装置の種類や治療段階によって通院頻度は異なってきます。
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保定治療
歯を動かす治療が終了した直後は、歯を支える歯肉、歯槽骨などの歯周組織は不安定な状態で、歯がもとの位置に戻ろうとします。保定装置を使用しながら歯列の維持と安定をはかります。